カノジョの距離

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東横線の改札前。 柱の横でスマホを片手に握りしめてリリが立っていた。そこに駆け寄っていく。 ワンピースにカーディガン。 昨日のカジュアルなスタイルもいいけど、今日はデートスタイルって感じ。 制服も涼やかな感じで似合ってるけど私服はやっぱ可愛い。 やべぇ、可愛いしか出てこない。 「リリが可愛いからウッカリ叫んだし」 「えっと、おはよう?」 「プッ なんで疑問系?おはよ、リリ」 あー俺、軽装過ぎた? 軽くシャツぐらい羽織ってくれば良かったか? って言っても。この時期のそんなの持ってないし、無理だな。 「微妙な時間かなと思って」 そう言ってリリは下を向く。 下を向いたときにチラッと見えた耳が赤い。 あーもう朝から可愛い。 手、繋ぎたい。 「まぁね、休みの日にしたら早い待ち合わせだけどね」 「去年は行けなかったからすごく楽しみで早く家出てきちゃった」 ハハ、ある意味俺と一緒じゃん。 リリの目的はアジサイだけど。 楽しみって言ってくれたから、まぁいいか。
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