カノジョの距離

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改札を入り入ってきた電車に乗る。 始発駅だけど天気がいいからか、結構人が多い。 「これ、向こうも人多そうだな」 「久しぶりのいいお天気の週末だからかな」 リリの言うように梅雨入り前から週末は曇りや雨などが多かった。だから梅雨の合間の晴れは貴重だ。 「俺としては少し雨が降ってもいいと思ってたんだけど」 「フフ、でも今日は絶対いい天気だと思ってたよ?」 晴れ男のことだろうか。 リリは少し目を細め可愛らしく微笑んでる。 あぁもうほんとどうにかしてくれ。可愛すぎるって。 少し混雑している電車の中でリリとの距離は近い。 混んでる電車も悪くない。 リリから香る甘い匂い。 たまにリリからこの香りがする。 お菓子でよく使うバニラエッセンスとよく似た香りのせいかなんだか落ち着く。 いや、最近ではそのせいでバニラエッセンスを使うとリリを思い出す。 「そういえばリリん家って門限何時だっけ?」 最近ではいつも悠哉が一緒だったから気にしてなかったけど。今日は俺だけだし、きちんと家まで送り届けるつもりだから遅れるわけにはいかない。 そう思って聞いてみたんだけど、 「ない」 「は?」 「だから、門限ないの」 ってどういうことだ? いや、咲良ちゃんの家よりは厳しくないだろうけどないってことはないだろう?
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