謎の男と雨上がりの空

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途中、凹んだけどなんとか復活し。 結局、みんなでいろんな味をシェアしながら最後までパンケーキを美味しくいただいた。 オーナーが食べ終わる頃にまた席に来て、リリに名刺を渡そうとしたとき、 「兄の悠哉です。リリが何度かお世話になったようで。」 軽い挨拶をしてその名刺に手を添え「オーナーシェフなんですね。こういうものは気安く出さない方がいいと思いますよ?誤解されるので」 悠哉が威嚇気味に言うと、「女子高生に手を出すつもりはないよ、純粋に意見を聞きたいだけなんだけどね」 と、困った顔を作ってオーナーは言ったけど。 なんか嘘くせぇ。 「それは失礼しました、ではまたみんなで寄らせてもらいます」 悠哉はにっこりほほえんでオーナーにそう答えた。 要するに、リリだけではここに来させねーよっていう答えに他ならない。 俺がリリの隣にいたら 俺がそう言える立場だったら そんなスマートに言えるだろうか 同じ高校生になったって たった数ヶ月しか違わないはずの悠哉との差は歴然として現れた。 やっぱり俺はまだ、リリの隣に並ぶ資格さえないんだろうか。 グルグルとそんな思いが頭の中を巡る。 そんな俺の思考はおいていかれたまま俺の家でのスイーツ会の予定は決められつつあった、
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