謎の男と雨上がりの空

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俺たちは混んできた店に長居することもできずに店から出ることにした。 店の外に出ると、また雨が降り出してきていた。 「レイト、最後まで雨止めとけよ」 なんて琉成は無茶なことを言う。 朝から降り続いていた雨が写真に収まるときにはやんだんだからよしとしてくれないもんだろうか。 「でも、ここから見ると傘がカラフルでキャンディみたいに見えるけど」 なんともファンタジーな発言をする咲良ちゃん。 まぁたしかにこのあたりは坂の上の方だからそこから見下ろす景色はカラフルではある。飴には見えないけど。 でもその発言にも目を細め少しだけ口角を上げる悠哉。 「何でも食べ物に見えちゃうあたり咲良ちゃんぽいよね」 とその発言にも茶化した琉成がなによりも一番周りを見ている。 その一言で空気が一変し。 その後にみんな微笑んだ。 俺の周りには見習うべきお手本はたくさんいるのに どうにも自分の向かう方向が見いだせない。 「どうせみんな帰宅部なんだからスイーツ同好会したらいいじゃん」 「ふふ、なんか楽しそう」 別に届出なんていらないんだし、と付け加えた琉成はスマホをさっと取り出して 「んじゃ、スイーツ同好会でLINEグループ作るからスタンプでも押して参加して」 あっさりとみんなを誘いグループチャットを部屋を作ってしまった。 琉成にとってはなんのメリットもない事なのに。
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