雨降りの入学式

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入学式での挨拶は思った通り、生徒会長のヒナ兄がしてた。 普段はあんな真面目な顔なんてしないから笑いそうになったけど、後ろに居る琉成が言うには昨日もメモ片手に挨拶の練習してたみたいだから、なんとか笑うのをこらえた。 来年はきっと悠哉がするんだろうな、まぁ俺には関係ないけど。 まったく、背の順まで前後ろとか、ほんと奇跡的な運命感じそうだし。 大講堂での式を終えてまた教室に戻ったけど、大した話もないまま終了。 「レイト、敷地の外れの桜の木に来いってさ。たぶん記念撮影」 終了と同時に後ろから声をかけられた。 「あれって意味あんの?」 俺がそう問いかけると琉成は「んー」と唸った後、「親からしてみたら成長の記録ってとこ?」と尤もな回答が返ってきた。 まぁそうなんだろうけど。 たぶん俺たちだけじゃなくてヒナ兄やリリ達、咲良ちゃんも呼んでるんだろう。 「んじゃ、とっとと行きますか」 琉成と揃って桜の木に行くと居るはずのない父親がニコニコと愛想を振りまいてる。 「なにしてんの」 「へ?何って可愛い一人息子の入学式に参列?」 いやいやそれはわかったよ、ココに居るんだからそうなんだろうけど。 「店は?」 「今日はティタイムのみの告知随分前にしてあるからね」 俺って頭いいでしょ?みたいな顔で言うからあきれた。 専属のパティシエがいるのは知ってる、けどいいのかそれで?
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