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鉄甲騎の操縦は実のところ、動かすだけならそれほど難しくはない。基本動作は魂魄回路を通じて機体に覚え込ませてある為、決められた槓桿や踏板、開閉器を適切に操作すれば、それに従った動作をしてくれる。バランスなどの細かい制御は、(機関制御を除いて)全て魂魄回路が担ってくれるのだ。
鉄甲騎の基本的な操縦とは、それらの操縦装置を操作し、様々な動きを行わせることであり、操縦士は、一見簡単な動きを複数組み合わせることにより、鉄甲騎を自在に操ることが出来る。
戦闘行動も同様である。攻撃目標を視界に捕らえ、照準器で狙いを定めて対象を固定すれば、機体の方で、ある程度追尾するようになる。操縦士は機体を武器の射程まで接近させ、操縦桿の引き金を引くだけでよいのだ。
ただし、それらはあくまで動かす[だけ]の話であり、乗りこなすとなると、そう簡単にはいかない。単純に攻撃だけでも、敵との間合いを計り、適切な射程と角度、力加減などの判断は全て操縦士に掛かっている。
更に付け加えれば、操縦士は自分の機体の特性を知る必要がある。特に、機体の反応速度は重要である。往々にして鉄甲騎は、操縦士の操縦に即答することはない。従って、機体ごとのタイムラグを読み取り、時に先手を打って機体を操作しなければならないのだ。
操縦士に求められるのは、必要なのは的確な判断力と、柔軟な応用力であると云っても良いのだ。
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