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苛立ちが募り、私はついまどかを睨んでしまう。
その視線に回りのクラスメイトはざわつき始めていた。
「まどか、アンタよくも恵子に嘘を言ってくれたわね」
「はっ? 嘘? 嘘をつき続けたのは紗南の方でしょ。恵子の彼氏を奪おうとしたくせに」
「だから、それは誤解だって……!」
私の言い訳も虚しく、噂好きの女子達はまどかの話に食いついてくる。
そして、私を見る視線は軽蔑の視線だ。
「相沢君だって認めてるんでしょ? あんたも恵子に素直に謝ったらどう?」
黒髪のロングヘアーを耳にかけ、いつも強めの視線は正義感たっぷりの瞳に変わっている。
その視線が、余計私を腹立たせた。
「嘘をついているのはまどかの方じゃない!!」って、言い出したかったのに。
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