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でも、それは次々と登校してくるクラスメイト達の声でかき消されてしまう。
「うわっ、恵子どうしたの?!」
そんな言葉が泣いている恵子にかけられればかけられるほど、私の立場は弱いものへと変わっていく。
クラスメイト達が私を見る目は軽蔑したものでもよかった。
ただ、恵子だけには誤解を解いておきたいって思ったから。
クラスメイト達が泣いている恵子を慰めている間、私は一定の距離を保ったまま恵子をずっと見ることしかできないでいた。
だって、今はなにを言っても、恵子の心にはきっと届かないと思ったから。
でも、この時「私はなにもしていない!」と主張していれば、この先の未来がもしかしたら変わっていたのかもしれないけれど。
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