暗雲

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SHRになり、少し泣き止んだ恵子は落ち着きを取り戻していた。 さっきぶつかった都築先生はそんな恵子を見て驚いていたけれど、事情を聞こうとしても相手にされていなかった。 まぁ、女子生徒が担任の、しかも男の先生に恋愛相談なんて絶対にしないと思うから、恵子の反応で当たり前だろうけど。 そして、私はSHRが終わってからすぐに教室を出て恵子の彼氏である相沢君を探しに隣のクラスに行った。 なぜ、どうして何の関係もない私との関係を認めたのか知りたかったから。 そしてそれを恵子に嘘だと伝えてほしかったから。 相沢君は彼女の恵子が泣いているということを知ってか知らないでか、自分のクラスで呑気に友達と談笑している。 また苛立ちが募って、私は乱暴な足取りで隣のクラスに入った。
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