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都築先生の色白の肌は、私の「セクハラ」発言ですぐに桃色に染まる。
この先生、若いのにこんな女子生徒一人の発言にこれだけ動揺して、よく担任なんかできるなと思ってしまった。
でも、今は先生のことはどうでもいい。
恵子の誤解を解くことの方が最優先だ。
「あっ、弥生さん……!」
都築先生の脇をすり抜け、じんじんと痛むお尻を我慢しながら走り出した。
ここは化学準備室がある廊下。私や恵子のクラスはこの先をまっすぐ走り、角を曲がったすぐのところにある。
あまり遠くないから、恵子は教室に戻ってれば辿り着いているはず。
恵子をもう一度引っ張って、ちゃんと誤解を解くんだ。
「廊下は走っちゃダメですよー……!」
後ろからなよなよした都築先生の声が聞こえてくるけれど、私はその声を無視して人気の少ない廊下をただひたすらに走った。
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