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『ゲルハルト星再生計画』はVRMMOだった。
VRMMOはバーチャル・マッシブリー・マルチプレイヤー・オンラインの略。
大人数で楽しめるゲーム。
きらりの故郷、地球ではまだVRMMOは実装されていない。VRのつかないMMOなら存在する。
『ゲルハルト星再生計画』に戻る。
プレイヤーの分身となるアバターは人間ではなく、メカニカルな人形だった。地球にも球体関節の人形があるが、イメージはそれに近い。
きらりたちは適当にアバターを作成した。
起動すると、あたかもゲーム空間にダイブしたような感覚。
舞台はゲルハルト星の地上らしい。
廃墟になった街。
倒壊したビル群、あちこち割れた道路。
生き物の気配はなし。
「おまわりさんの言うとおりかもしれない。シューくんを助けるヒントとか、クーデターを解決する方法があるんだよ」
と、きらり。
「デバッグの要領なのですね。難しそうなのです」
マキャイナは不安な表情。
「ワシも手伝うぞ。ネット掲示板もチェックしないとな。廃ゲーマーがそれっぽいモノを見つけているかもしれん」
クマ爺は自分のノートパソコンを起動した。
他のアバターもいないということは、つまりオワコンかなと、きらりは思った。
それでも、今できることをやるしかない。
きらりたちの新たな冒険がここから始まる。
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