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「そんな馬鹿な」
きらりは苦笑した。
と、その時。
コンコン。
誰かがノックした。
「どなたなのです?」
マキャイナがリモコンを操作する。
画面が切り替わり監視カメラの映像になる。
映ったのは、警官ふたりにヒゲ面の爺がひとり。
見知った顔ぶれだった。
きらりとマキャイナを保護してくれた警官と、飛行機ドックのクマ爺。
マキャイナは彼らを部屋に入れた。
あいさつもそこそこに、クマ爺は本題に入る。
「ワシから頼む。緊急事態じゃからな。マキャイナ、あの『箱』を提出してくれ」
と、警官を指した。
マキャイナは「わかりました」と素直にうなずく。
しかし手にしているのは薄汚いボール。
「待って。その前に聞きたいんだけど、ホテル代は誰が出すの? 私、お金持ってないよ」
きらりが口を挟む。
見返りもなく情報を開示するわけにはいかない。
「ああ、それならご心配なく。クマ爺さんの言うとおり、緊急事態ですからね。ホテル側の好意で対応してくれます」
警官のひとりが答えた。
それでも、いつまで引きこもるのかはわからない。犯人しだいだろう。
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