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「では、コピーの方を提出するのです。オリジナルは王子様のものなので渡せません。そこはご了承ください」
マキャイナは言ってからボールを両手で持ち直す。
2本の親指に力を込めてボールに押し込む。
生卵を割るイメージ。
ボールは親指に合わせて若干つぶれ、ふたつに割れた。
中に緩衝材がみっちり詰まっている。
マキャイナはそこにピンセットを差し入れた。
そのピンセットをどこから出したと問うなら、彼女が優秀なメイドだからと答える。必要なモノはだいたい持ち歩いている。
さて、大事なモノはまん中に入るはずなので、マキャイナはむやみにかき回すことなく慎重に引き抜く。
出てきたのはマイクロチップ。
次にマキャイナはノートパソコンに挿入し、コピーを開始した。
終了まで小一時間。
膨大な量のデータらしい。
ひま。
というわけでもなく、きらりたちは警官ふたりの質疑応答に付き合わされた。
クーデターの関係者でないことを説明するためだ。
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