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ワンワンと鼓膜を震わせるのは、老若男女の合唱だ。頭の中をサラウンドして、脳みそがかき混ぜられるよう。
そしてその中に、私はMを見つける。
きっとそのMは、誰も知らない。
そうか、ユミ。
靴が無くて、帰れないってこのことなんだ。
私は、分かりきったことをMに聞いてみた。
「あなたは誰?」
Mはクスクスと笑い、だんだんと曖昧なMという符号を解くと共に輪郭をあらわにした。
私のよく知っているあなた。
「私は、マナミよ?」
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「ねえ、聞いた?マナミが行方不明になったんだって!」
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