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私が腕を抜いたのを見届けて、ショウタは蓋を下ろした。 『取れたか?』 「うん、ありがとう。」 溝から足を抜いたショウタは、座り込んでいる私を見下ろした。 『制服ドロドロだぞ。』 ショウタのズボンもドロドロだった。 靴も。溝の泥水で靴はぐっしょりしている。 「ごめんね、ありがとう。」 私の言葉が終わらないうちに、ショウタは道路に置いた鞄を肩にかけた。 『俺のこの労力が誕生日プレゼントな。篠原、誕生日おめでと。』 「あ、ありがとう・・」 ショウタはそう言うと、歩道に戻っていった。 「ショウタ、ありがとう。」 背中を向けたままバイバイをして、そのまま歩いて行くショウタの右足が道につく度に、グチョって音がしていた。
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