第2章 夜ちゃんのさほど華麗でもない性的遍歴

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そんな話は誰からも聞いたことがないし。 つい最近まで小学生だったから、まだ自分が女になりかけてるってことはぴんと来なかった。胸だって碌に膨らんでないし何の魅力もないひねこびた子ども。誰からも異性と意識されてるって実感を得た経験がなかった。 だから、小児性愛趣味の相手でなければ特に問題はない。そう思い始めたところに奴は駄目押しに畳み掛けた。 「ヨリちゃんがずっと読んでたあの漫画、何冊か続き出てるよ。しばらく来なかったからまだ読んでないんじゃない?今日はゆっくりそれでも読んで疲れ取って、また明日から元気に学校行けばいいじゃん。一緒にお菓子でも食べてのんびり過ごそうよ」 その時は、その他大勢の中の一人だった自分の読んでた漫画までお兄さんに認識されていたのが何だか誇らしく感じてしまって(馬鹿だ)、促されるままに部屋に行った。 確か漫画を読む暇なんか全然なかったと思う。部屋に入るなりあっという間に押し倒されて下着を引き降ろされ、制服を着たまま押さえつけてやられた。死ぬかと思うほど痛くて泣き叫んだので口にタオルを突っ込まれて、服を全部脱がされて夕方になるまで延々身体中悪戯されて、何度も挿れられた。 「結構馴れてきたじゃん。だいぶ濡れるようになったよ。さっきまで処女だったのに、助平だな」 今思うと大して濡れてたとも思えないけど。そう囁かれてまた腰を遣われる。まだ痛くてたまらない。奥歯を噛み締めて必死にその感覚に耐えた。 「こうやって腰振るんだよ。だんだん馴れたらよくなってくるから。…そう、いい子だね。…あぁ、…いいよ。…ヨリ…」 それ以来何度も部屋に呼ばれてその度にされた。お前の学校の連中にヨリがやらせたって噂流してやるぞ、そしたらあいつらもお前とやりたがるだろうなと下卑た声で脅されて震え上がった。 実際には学校とか誰か大人に訴えれば絶対に向こうが悪いってことになったのかもしれない。母親はともかく(そんなことを打ち明けたら、半端なく眉を顰めて隙があるからそんな目に遭うのよ、と一言で終わらされるに決まってる)。でも、誰もそんなこと信じないよと自信たっぷりに断言され、中学生の男の子たちをここに呼んで一緒にやらせてやろうか、奴ら滅茶滅茶喜ぶぞなんて脅されると。そんな目に遭うくらいなら死んだ方がましとしか思えなかった。 わたしはひたすらそれに耐えた。
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