第2章 夜ちゃんのさほど華麗でもない性的遍歴

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別に迂闊なことをしたって意識はなかった。特に荒れた雰囲気の学校でもなかったし、そんなことする子が在籍してるなんて思いもしなかった。 「一人でこんなひと気のない場所うろついて。誘ってたの?誰かに襲って欲しかったんだろ」 知らない男の子はにやにや笑いながら運動マットの上にわたしを押しつけ、下着を下ろしてそこを弄り回した。 「お、もう濡れ始めた。早いね。大人しそうな顔して案外乗りいいな」 指を出し挿れして中の具合を確かめる。 「これなら挿れても大丈夫かな。ここまできたら最後までやろっか、せっかくだから」 「や、嫌っ」 「嫌じゃないだろ、もうこんなじゃん。案外期待してんじゃないの?…だいじょぶ、なるべく痛くしないから」 スカートをたくし上げられ、両脚を思い切り開かれてぐい、と突っ込まれた。勿論避妊もなんもなし。奴は意外そうに眉を上げた。 「何だ、初めてじゃないんだ。こんな大人しそうな顔して遊んでるんだな。…あぁ、結構…、いいじゃん。具合…」 そいつはわたしが処女じゃないと知ると遠慮なく腰を遣い始めた。思わず反応するとにやにやといやらしく笑って顔を覗き込む。 「腰動いてるじゃん、やらしいなぁ。全然見た目と違うんだ。…あぁ、いいよ、…あんた。これからいっぱい可愛がってやるよ…」 服を脱がされて散々弄ばれても最後まで誰かが助けに来ることはなかった。 名前も訊かれなかったし連絡先も教えてない。当然それ一回きりと思って忘れようとしてたら自分の甘さを思い知らされた。 奴は悪びれもせず堂々とわたしの教室にやってきて呼び出しをかけてきた。てかどうして名前やクラス知ってんだ。クラスメイトの好奇の目に耐えられず出て行くとぐい、と腕を掴まれて引っ張られ、学校の裏山に連れていかれた。 「いい場所知ってるんだ。ここなら誰にも邪魔されないよ」 何でこんなところに、と思うような寂れた四阿があり、そこに毎回連れ込まれてそのたびセックスする羽目に。 あとで知ったことだが、奴は下級生だった。向こうは何となくわたしを見知っていたらしい。 「いつ見ても一人で行動してるし。あの子友達いねーのかよ、って思って見てた」 あの時もひと気のない方向に向かうわたしを見かけてそっと跡をつけてきたのだと言う。わたしはさすがに憤慨した。 「だからって何も、こんな」 奴はどういう訳かわたしをぎゅっと抱きしめて唇にキスした。
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