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誕生日会
金城side
「あのさ、今度の土曜日なんだけど…暇かな?」
電話口で遠慮がちに真はそう言った。
土曜日…それで思いつくのは一つである。
「特に用事はないよ」
「あっ、じゃあ、良ければでいいんだけど…俺ん家来ない?」
自分でいうのも恥ずかしいけど、誕生日会やるんだ、と言うその口ぶりは本当に恥ずかしそうで、真には悪いけれど可愛く思った。
「行く。拒否されても行く」
「何だよ、それ。そもそも拒否しないし」
俺の冗談がおかしかったのか、笑いながらそう言った。
「あ、そうだ。一個聞いていい?」
「ん?なに?」
俺は少し聞きたいこと、というか確認したいことがあった。
「俺以外に誰か来る?」
あの時は、祝ってやれないと三上は言っていたが、改めて真の口から確認しておきたかった。もし、来るなら礼を言っておきたいし。
「あぁ…それが、何かみんな忙しいらしくてさ…」
少し気まずそうに言った。事前にその話は聞いていたから、俺としては予測済みだった。けれども、真としては少し事情が違うようだった。あの時の三上の様子からして、俺が三上と話したことは、真に伝えていないようだ。
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