誕生日会

2/16
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
「そっか。まあ、俺は真がいれば十分だけどな」 「―なっ!…ゴホッゴホッ」 むせた、と文句を言いながらも、満更でもなさそうだったので、軽くごめんごめんと詫びた。 「思ってないだろ、それ。まあ、いいけど 「思ってるから。…で、その日何時ごろ行けばいい?」 話を元に戻すべく、俺は話を切り替えた。と、そうだったと何かを思い出したらしい。 「10時ごろなんだけど…優、俺の家来たことないし、あのT字路辺りで待ち合わせしないか?」 そう言えばそうだった。真は俺の家は知っているけれど、俺は真の家を知らない。なんだかんだ言って行く機会なかったしな。 「おう、いいぜ」 「分かった。じゃあ、9時50分ぐらいで大丈夫かな?」 「ああ、大丈夫」 ちゃんと色々と考えてくれているんだな、と俺は思った。じゃあまた明日、と言って切れたその電話口を見つめた。あの日以来、俺と真は友達以上の関係にはなった。 のだが、
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!