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「そっか。まあ、俺は真がいれば十分だけどな」
「―なっ!…ゴホッゴホッ」
むせた、と文句を言いながらも、満更でもなさそうだったので、軽くごめんごめんと詫びた。
「思ってないだろ、それ。まあ、いいけど
「思ってるから。…で、その日何時ごろ行けばいい?」
話を元に戻すべく、俺は話を切り替えた。と、そうだったと何かを思い出したらしい。
「10時ごろなんだけど…優、俺の家来たことないし、あのT字路辺りで待ち合わせしないか?」
そう言えばそうだった。真は俺の家は知っているけれど、俺は真の家を知らない。なんだかんだ言って行く機会なかったしな。
「おう、いいぜ」
「分かった。じゃあ、9時50分ぐらいで大丈夫かな?」
「ああ、大丈夫」
ちゃんと色々と考えてくれているんだな、と俺は思った。じゃあまた明日、と言って切れたその電話口を見つめた。あの日以来、俺と真は友達以上の関係にはなった。
のだが、
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