第1章

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月曜日。 洗い立ての下着や服を身に着けた人達が会社や学校に向けて歩む。 その内の何人かが、むず痒く感じる身体を服の上からポリポリと掻いていた。 火曜日。 服の上から身体を掻いている人の数が増え、服の中に手をいれ身体を掻いている者さえいる。 水曜日。 フル回転している冷房が役立たずに思える程蒸し暑い満員電車の中で、会社員や女子高生がむず痒い身体をポリポリと掻く。 木曜日。 蒸し暑い満員電車の中で、昨日身体を掻いていた人と半袖のシャツから露出していた腕や手が接触した人達や、身体を掻く女子高生のスカートの中に手を入れた痴漢が、むず痒く感じる身体を掻いていた。 金曜日。 町に住む住民全身と沿線の市町村の大部分の人達が身体を掻く。 ボリボリボリボリ ミミズ腫れが出来る程の力を込めて身体を掻き毟る。 ボリボリボリボリ 悲鳴を上げ泣き叫びながら掻く。 「痒い! 痒い! 痒い!」 「助けてーー! 痒いよーー!」 ボリボリボリボリ 土曜日。 政府は非常事態を宣言し軍や警察を動員して、身体を掻き毟る者達がいる地域を封鎖。 日曜日。 閉鎖地域以外で身体を掻き毟る者が発見されると、防護服を着用した兵士や警官に逮捕され隔離された。
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