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「はい。 その暴行を働いた時、被害者となった女性の落としたスマートホンを彼は所持していまして。 そのスマホに登録されたアドレスより被害者女性の友達をGPSにて特定し、友人を経由して女性の住所を特定しようと試みたらしいのですが。 被害者女性と一番仲の良い友人が、被害を受けた女性宅へ彼女を見舞って居まして。 彼が探りを入れていた最中に、仕事から戻った父親と鉢合わせして、朝の騒動になりましたとか」
そのバカげた話に、篠田班長は呆れ果てた。
「ふぃぃぃ…。 暴行を働いた父親に、俺は敢闘賞でもくれてやりたい気分だな」
「はい、自分も同感です」
父親である二人は、会社員を殺そうとした被疑者の年配者に同情する。
「それで、飯田。 その会社員が運営してた動画サイトの会員ってのは、何人ぐらい居た?」
「え~、月のコンテンツ料金が約5万円ですが。 登録者は、1800人超です」
「な゛っ!」
驚く篠田班長に、コーヒーを片手にしてデスクへ就く木葉刑事が。
「然も、契約書の一部に在りましたが。 そのサイトの親会社は、実態の存在すら怪しいペーパー会社みたいッス。 外国に私書箱が在るらしいので、完全にタックスヘイブンとして利用してんでしょうね。 国税局も、腕捲りしてますよ」
会員に登録する料金と月額料、そして登録者の人数に篠田班長は、設けた額が幾らに成るのかと。
「なぁ、そのサイトはどれぐらい運用されたんだ?」
飯田刑事は手帳を見て。
「運用期間は・・約5ヶ月。 サイト名義のネットバンクの情報からして、3億円超の売り上げは…」
その高額に、また驚く篠田班長。
「さ・・3億円…。 そんな事だと、働くのも馬鹿らしく成るな。 はぁ~~~3億円」
八橋刑事はパソコンで何かを操作しつつ、刑事も現場の様子のリアルタイム映像を配信すれば、恐らく似たように儲けられかも・・と想像する。
すると、ムクッと起きる里谷刑事が。
「うむぅ、億単位か」
と、意味深に呟けば。
木葉刑事は何処か余所を見て。
「億あれば、クビに成っても生きて行けそう…」
考える市村刑事は、腕組みして俯くと。
「何人、女と同居が可能か…」
八橋刑事に至っては、
「車買って、家買って、結婚して、子供10人ぐらい作って…」
指を折って願望を数えた。
其処で、刑事達が一斉に。
「願いが多いな」
と、彼へ突っ込んだ。
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