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「『風』『地』『水』の神官たちがぞくぞくと神殿に集まってきました。ところが」
息をつく。
「現れたのは、近衛の長『火の一位』に率いられた近衛の部隊。
いきなり、大神官ギリアス殿に対する反乱と言いがかりをつけ、神官たちに剣を向けたのです。
逆らおうとした数十人が惨殺されました。
『火の一位』殿はそのまま神殿を閉鎖。
上位の神官たちが中に閉じ込められています」
「王宮にラクロア兵を引き入れたのも、『火の一位』殿の仕業と聞きました。
ルオーを着替えさせる手を止めずに、女官長が言う。
「近衛の長の反逆に、警護の兵たちは混乱。
そこに『水の一位』殿に取り入っていた男、セネカが竜王様の御遺体を王宮前広場に晒し、兵たちに見せつけたのです。
士気は喪失し、瞬く間に王宮は皇太后の名のもとにラクロア兵に制圧されました」
「皇太后ではございません。
畏れ多くも竜王様を弑し奉った首謀者は、大神官ギリアス」
『水の三位』がしっかりした口調で言う。
「ギリアスが皇太后、『火の一位』、『水の二位』と謀り、ラクロア兵を都に引き入れたのです。
神官の暴動を口実に、人望ある『水の一位』殿の失脚を目論んで、御自害と偽り、私が駆けつけた時はすでに・・・」
『水の三位』が悔し涙をこぼす。
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