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すると、木葉刑事は腹をさすり。
「はぁぁぁ、お腹減った…。 俺の弁当、まだ残ってるかな~」
こんな戯言を呟きながら回れ~右をして、会議室の在る方の階段へと向かって行く。
周りで見ていた刑事達は、やり込まれた桔梗院弁護士を初めて見た。
また、真横に居てそれを見た手塚刑事は、
(木葉め、なかなか面白いものを見せつけやがる)
と、改めて木葉刑事に感心した。
だが、木葉刑事には視えていたのだ。 嘆く姪の彼女の傍に寄り添い、背中をさすっていた叔父の霊の姿が。 自分が早まった行動をした為に、如何にまた大切な人々を傷つけたのかを知る彼の姿を…。
自殺した彼は、誰も怨んで居ない。
自殺した彼は、誰にも怒って居ない。
こんな幽霊を視るのは、数ある中でも希と思う木葉刑事。 亡くなった被害者の事を、加害者の彼には知って貰いたかった…。
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