第二部:秋冬の定まり。

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桔梗院弁護士の意見と解説を聞きながら弁当に向かう木葉刑事は、 「死んだ被害者が・更正する前、世間一般的に云う極悪人ならば・・・、彼が言葉で追い込んでも全くオーケーって事ね。 なら、・・関係者に証言を御願いした方が、話は・早いッスよ。 被害者の悪い部分を、法廷で証言して貰えば、イイだけッスからね~」 食べながら言う彼からは、桔梗院弁護士の存在感に畏怖を感じている様には見えない。 返って、自分の魂胆を代弁された桔梗院弁護士は、いよいよ眼を鋭く光らせては。 「無論、そのつもりだ。 自殺した被害者の起こした殺人について、過去に殺された被害者の遺族にも、法廷へ出廷を願う」 そのやり方は、まさに勝つためならば‘根掘り葉掘り’に調べて、全てを(つまび)らかにすると云うらしい。 態と泥沼化する様なものと、苦笑いしか無い木葉刑事。 「流石に、敏腕弁護士さん。 勝つ為に遣る事が、性格に似合ってえげつない」 木葉刑事の言った言葉は、桔梗院弁護士には敗北宣言に聞こえる。 「ほめ言葉、そう受け取ろうか。 私は…」 桔梗院弁護士が、木葉刑事を言葉で詰ろうとしたが・・。 其処へ。 「すみません! 此処が捜査本部ですかっ?」 いきなり、興奮状態と思える女性の声がする。 「?」 直ぐ様に、其方へと首を巡らせた桔梗院弁護士。 だが、木葉刑事は・・と云うと。 「来た…」 と、小さく呟くのみ。
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