第二部:秋冬の定まり。

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取り立てを遣る若者には、金を得て成り上がりたいと思う者が居る。 そして、取り立てをやっていたチンピラの頭を張っていたのが、今日に警察へ来た小柳老人の息子で在った。 その事実は、刑事達や桔梗院弁護士も驚かせた。 さて、〔小柳 章太〕《こやなぎ しょうた》と云う息子が率いるチンピラ達は、遊ぶ以上に商売を出来る金を欲した。 彼等は、自分達の闇金会社を創る事を夢見る。 処が、彼等がその儲け話に乗ったツケは、彼等の家族に回って来た。 窓口に立つ男は、債権を売るには2000万円と云う多額の金を要求する。 だが、チンピラの息子達の狂気に因り、その家族がどれだけ苦しむ事に成ったのだろうか。 或る者は、親の老後と貯めた預金通帳を持ち出し。 或る者は、病気の親の入院費用を引き出して来た。 そして、たった5人の若者達が。10日前後で2000万円と云う金を作った。 ま、金融業者の窓口に立つ男は、若者達を騙す事しか考えて無かった。 後に、逃げ出した金融業者の男は、大阪で逮捕される事に成るのだが…。
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