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「どうして私に話そうと思ったの?」
「うーん、ひとりで抱えてるのは正直しんどかったし、きっと杏ちゃんなら偏見持たないで相談に乗ってくれるかなぁって」
私はバレない程度に小さく溜息をついた。
告白する前に私の初恋が無残に散るなんて。
ちょっと、いやかなり落ち込むのだけれど、棗の中の私が『信頼できる幼馴染み』で、これからも傍に居られるのなら私はそれを甘んじて受けようではないか。
そう決意した。
「分かった、応援する。何かあったら遠慮せず相談してくれて構わない。私で力になれるか分からないけれど...」
「杏ちゃん...!うん、ありがとう!」
決意した。
きちんと決意した、矢先だった。
人生とは時に予想の斜め上どころか急カーブでとんでもない方向に吹っ飛んでいくものである。
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