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「父上、“風の宝珠”は、如何しますか?」
「…その事だが、またカイトにサモンズ村へ行ってもらうしか―――」
「……それは、もうお止めになったが良いでしょう」
「ほぅ……?何か策でもあるのか?」
「えぇ……」と、ルシウスは不気味に笑った。
「……カイトはこの宝珠が最初から偽物だと気付いていた筈です。そうだろう?」
「……………!?」
「……何だと!?」
「その罰として…カイトを人質にし、サモンズの村長に、本物の宝珠の有りかを吐かせる、と言うのはどうでしょう?」
「なるほど……それは面白い」
「ちょっと待て!! 本物の宝珠は俺が必ず探し出すから……!!」
カイトが慌てる表情を見て、国王とルシウスはニヤリ……と笑った。
「その男を捉えよ」
「―――はっ!!」
部屋の隅に居た兵士達が、カイトを捉えた!!
「―――くっ……離せ!!」
「……恋人の事が、そんなに心配かい?」
「―――貴様ッ!?」
身動きが取れなくなったカイトの額に、ルシウスは指を当てた。
すると―――カイトの身体がポゥ……と青い光に包まれた。
「うっ…何……を―――」
「ゆっくり眠りに付くと良いよ―――」
そして……カイトは何も分からなくなった―――。
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