第17話

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「父上、“風の宝珠”は、如何(いかが)しますか?」 「…その事だが、またカイトにサモンズ村へ行ってもらうしか―――」 「……それは、もうお止めになったが良いでしょう」 「ほぅ……?何か策でもあるのか?」 「えぇ……」と、ルシウスは不気味に笑った。 「……カイトはこの宝珠が最初から偽物だと気付いていた筈です。そうだろう?」 「……………!?」 「……何だと!?」 「その罰として…カイトを人質にし、サモンズの村長に、本物の宝珠の有りかを吐かせる、と言うのはどうでしょう?」 「なるほど……それは面白い」 「ちょっと待て!! 本物の宝珠は俺が必ず探し出すから……!!」 カイトが慌てる表情を見て、国王とルシウスはニヤリ……と笑った。 「その男を捉えよ」 「―――はっ!!」 部屋の隅に居た兵士達が、カイトを捉えた!! 「―――くっ……離せ!!」 「……恋人の事が、そんなに心配かい?」 「―――貴様ッ!?」 身動きが取れなくなったカイトの額に、ルシウスは指を当てた。 すると―――カイトの身体がポゥ……と青い光に包まれた。 「うっ…何……を―――」 「ゆっくり眠りに付くと良いよ―――」 そして……カイトは何も分からなくなった―――。
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