第5話

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今から10年前。 1つの村が、何者かに襲撃された。 村は燃え上がり、殆どの住民は殺された…。 「……お母さん!!」 「…何してるの!!…早く逃げなさい!!」 「…お母さんと一緒じゃなきゃ、イヤだ!!」 黒ずくめの男達が、母親と少女のすぐ傍まで来ていた…。 「(ここは危険だわ…逃げるわよ!!)」 母親は少女の手を引き、村の外れへ逃げた。 そこは…行き止まりの崖だった。 「此方にも2人居たぞ!!」 「(ハッ…しまった!?)」 「命令だ――2人とも始末しろ」 母親は、少女を抱き締め…三日月のネックレスを少女の首に掛けた。 「…お母さん?」 「…大丈夫よ…私が死んでも 貴女には家族が居るから―――」 「えっ―――?」 神様…どうか、この子の命だけはお助け下さい…!! 「……ごめんね――」 ここは私が食い止める!! だから...貴女だけでも、どうか生き延びなさい―――。 ―――ドンッ!!!!! 母親は、少女を崖から突き飛ばした!! 「いゃぁぁぁぁ―――!!!!」 少女は村の遥か下にある、深い森の中へと落ちていった…。
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