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「ちょ、なに、どうしたの」
いつの間にか紫音の手を力いっぱい握りしめてて、皇輝は慌てて手をはなした。
「あ、悪い、なんかぶっ飛んでた」
「ええ? 君少し休んだら?」
「ああ、うん。俺、腹減ったかも」
ランチには早い時間だったおかげで、あまり並ばずに飯にありつけた。
食器も食事の量もメルヘンで可愛らしすぎて、あんまり腹いっぱいにはならなかったが、動くにはちょうどいい感じだ。
人気のアトラクションは事前に調べて、入園してすぐにファストパスを取ったりしたが、それでも1日いて乗れたアトラクションは10個に届かない。
もし土日に来たら・・・人多すぎて歩けないかも、俺。
開園前に辿り着いて、日が暮れるまではあっという間だった。
夜のパレードまでまだ30分はあるのに、もういい場所は埋まっている。みんな、ものすごい情熱だ。
皇輝達は後ろの方にあった隙間に、小さくシートを広げて座った。
「この夜のパレード見たら帰るか」
「そうだね」
「アトラクションって、並んでる間も楽しいんだな」
「そうだね。君、子供みたいにキョロキョロしてた」
「ーーー あんた、実は今倒れそうだろ」
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