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本格的に暗くなってしまった。電話を借りて自宅に電話すると、母が迎えに来てくれると言う。
「また遊んでね。……葵衣ちゃん、て呼んでいいかな?」
「アオイでいいよ」
浦浪麗が笑うと、小動物のような雰囲気が強まる。
ふわふわの髪を編み込みしたりして遊んでみたいし、今度、は自分から、カラオケにでも誘ってみようと思った。
「ありがとう!アタシはレイ」
「うららちゃん」
葵衣が浦浪麗の言葉を遮ったので、きょとん、とした顔で浦浪麗は首を傾げた。
「麗、て、『うらら』って読めるの。だから、今日から浦浪さんはうららちゃんね、なんかそのほうがかわいいし」
「えー、よくわかんないっ……でも、面白いからいいよっ!」
今度、カレーの時は、アタシもサラダくらい作ってみよう。
葵衣は迎えに来た母が運転してくれる車の中から、『うららちゃん』に向かって手を振った。
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