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「あんた覚えて辺のか?
あんた死ぬ間際に海底に沈んでもうて、
海底の岩に頭ぶつけたんや、
その時気を失ってあれからもう四日や、
まったく死んでるのに気を失ってるって一体どう言うこっちゃ」
「じゃあほんとに死んじまったんだな?」
「あぁそうや、健一、あんたは死んだんや、
残念だけどな……」
「えっ!俺健二だけど……」
「えっ、田中健一とちゃうの?」
「俺の名前は田中健二!
ちなみに兄弟は無し!」
「ちょっと待って」
死亡予定者ファイルを確認する天使。
「あぁ~~~~~~っ
間違えてもうた~~~~~~っ」
「ちょっと、間違えたってどういう事だよ」
「すまん健二、
あんたほんまは九十歳まで長生きするはずやったんや、
うちが同姓の田中健一と間違えてもうた」
「なに~~~っ
間違えたで済む問題か、
今すぐ生き返らせろ、早く!
俺はまだ死にたくないんだ~~~」
「死にとうないと言われてももう死んでもうてるからのう、
一度死んでもうた人間は、
最低でも下界で生きた年数分は天上界にいる決まりなんや、
あんたの場合は十九歳やから少なくともあと十九年や」
「おぬしとうとうやりおったの」
どこからとも無く声が聞こえてくると、
すうっと神様が姿を現した。
「あっ神様、申し訳ありまへん」
「申し訳ないですむか大変なミスをしおって、
今度やったら資格取り上げるぞ!」
「すんまへん、ほんまにすんまへん」
「なぁ、あんた神様なんか?
どう見てもその辺にいる普通のオッサンにしか見えねえけど、
しゃべり方なんかその辺にいる爺さんと代わんねえじゃねえか」
「これ!このお方に対して失礼やないか、
このお方はな、神様検定十段、
神様の中の神様と言われているお方なんゃぞ!」
「へぇ偉いんだぁ、
でも俺のイメージしていた神様と全然違うなぁ」
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