ダメ天使

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「下界の者は神様と言うと、 白いひげを生やした爺さんを思い浮かべるからのう、 でも実際は検定試験に受かりさえすれば誰でもなれるんじゃよ、 神様検定については天使検定四段以上が必要じゃがの」 「そんなに偉い神様ならどうにかできるだろ、 なんとかしてくれよ」 「そうじゃのう、 今すぐ健二としてあの体に戻すのは無理じゃが、 あと一年待ってくれ、 そうすれば何とかする、 本当はいけない事なんじゃが今回は我々のミスじゃ、 出血大サービスじゃぞ!」 「そんなに待てねえよ、 今すぐなんとかしてくれよ」 「そんなこと言われてもなぁ、 一度死んだ人間を生き返らせる訳にいかないからのう、 一年だけここで待ってくれ、 ここは良いぞ! 下界の様に犯罪や事故が起きる事もないし、 踊りたければクラブがある、 歌いたければカラオケボックスだってあるんじゃ、 遊び放題じゃろ? それにその気があれば天使や神様にだってなれるんじゃぞ! その場合は生まれ変わる事は出来ないがの」 「分かったよ、じゃあ一年だけな」 「分かってくれたか、なら良かった、 天使後は頼むぞ、ここを案内してやれ」 「はいっ神様」 そして神様は、 またすうっと姿を消してしまった。 「なぁ天使、あんたなんで関西弁なんだ?」 「うちは関西出身なんや、 神様に言われて東京弁に直す様にはしてるんやけどな」 「東京弁て標準語の事か? 全然直ってねえじゃねえか、 ほとんど関西弁に聞こえるぞ」 「そうか?」 次の瞬間、健二の顔つきが変わり、 突然天使に襲いかかった。
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