ダメ天使

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「ところで落ちこぼれ天使、 お前のミスで俺は死んだんだよな! お前が俺をここへ連れて来たんだろ、 だったら元に戻す事も出来るだろ、 正直に言ってみろ、出来るよな!」 「出来まへん」 「出来るよな」 胸元をつかまれた天使は、 あまりの怖さに白状してしまう。 「で、出来ます」 「じゃあ元に戻せ」 「それは無理です、堪忍して下さい……」 「良いから戻せ」 「一度死んだはずの人間が生き返ったらみんな驚いてしまいます」 「良いから戻すんだよ、 早くしねえと俺の体が燃やされちまうじゃねえか!」 「分かりました、やります、やりますよ、 だから離してもらえます?」 健二が天使を離すと、 天使は持っていたステッキを健二に向かって振り下ろした、 すると健二の体がすうっと消えていく。 その時下界では、 最後のお別れにと棺に花を手向けている時であった。 突然健二の目が開き体を起こしたのであった。 その光景を見た人々はみな驚き、 慌てて逃げていく。 その時天上界では、 下界の様子に気付いた神様が再び天使の前に現れていた。 「またとんでもない事しおって、 こうなる事は予想できたであろう」 「申し訳ありまへん、 健二があまりにも怖い顔で詰め寄って来たものでつい」 「えぇい言い訳などいらぬわ、 お前の資格は取り上げじゃ、 もう一度一から取り直せ」
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