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「おいっ、オッサン! 起きなよ。」
頬が痛い。誰かが頬を強く叩いている。
目を開けると高校生くらいの少年が面倒くさそうにこちらを見ている。
ここは何処だろう? 俺は何をしているんだ?
そうだ。天沢を探して……アパートを出るしかなくなって……
「オッサン、なんでこんな公園で寝てんの? もしかしてホームレスってやつ? これは先が思いやられるなぁ……」
何も食べていないせいか、頭が朦朧として状況が理解出来ない。女の子の夢を見ていた気がする。
この少年は誰だ? 何故俺を起こそうとしているんだ?
「やめろ……」
なんとか絞り出すと、少年の手が止まった。
「アンタ、熊野 結里(くまの ゆうり)を知ってるんだろ? 俺の家まで来てもらう。なんとしてでも!」
少年は俺の肩を無理矢理持ち上げて、半ば引きずる様に引っ張っていった。
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