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1.唐突な出会い
「地味なんですよ」
いや。
そんなこと、言われましても。
「華々しくない」
……本人の前で言いますかね。
撮った写真を確認した編集者やらカメラマンが、口々に貶してくる。
これは酷い。
酷すぎる。
彼らは、俺には日本語がわからないとでも思っているんだろうか。
もしくは俺が見えていないんだろうか。
すいませんね、地味で。
すいませんね、芸能人オーラゼロで。
きらきらしてなくて悪かったなぁ。
ただ背が高くて、とりあえず顔が整ってるだけの男で悪かったですね。
「撮り直しますか」
カメラマンがそう言う。
それに対して、編集者らしき女の人が五月蝿そうに答えた。
「いいわよ。
これ以上、良いのなんて撮れるわけないわ。
時間の無駄」
うわあああああ。
もう、次からこの雑誌の仕事は来なさそうだ。
元々少ない仕事がまた減った。
……ああ。
もう生きていけないかもしれない。
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