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"とりあえず、その子と仲良くして。
面倒を見てあげてくれないか"
なぜか、社長直々にそう言われた。
つまり、梓の面倒を俺が見る、と。
何でだ。
何故に?
Why?
改めて、隣にいる梓に視線を移す。
俺よりも少し高いか同じくらいの背丈。
体つきは俺よりもしっかりしている。
筋肉質気味か。
黒のロングコートを嫌味なく着こなす。
こざっぱりした艶のある黒髪。
凜とした顔。
黄色い悲鳴が上がるタイプの顔というより、ちょっと遠巻きに噂されそうな意味深な流し目を使われそうな、そんな顔。
あれだ。
王子様じゃなくって、騎士様だ。
いや……騎士様というより、軍人か。
そんな雰囲気と容姿の……男前だ。
年は、俺よりも上?
しっかりした顔出し、落ち着いた雰囲気だし。
丁寧な言葉をさらっと使いこなすし。
年上……だよなぁ。
絶対に俺よりもしっかりした人だよね。
梓……さん。
年上だよね。
じゃあ、梓なんて気軽に呼べやしない。
梓さん。
俺、そんな人の面倒を見るの。
俺が面倒を見る必要あるの。
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