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2.ということで
"また一週間後に"
そう言い渡されて、社長室を追い出された。
ということで。
狭いアパートに、梓さんを招き入れた。
ただでさえ、狭い。
そこに普通よりでかい俺が入ると、もっと狭い。
そこに俺よりもちょっとでかい梓さんが入ると、地獄のように狭い。
どっちかがちょっと動くだけで、ぶつかりそうだ。
無言で小さい机を挟んで向かい合っている。
小さい机?
いや、ちゃぶ台?
まあいいや。
梓さんは、なんか凄く落ち着いた様子。
ピシッと伸びた背筋と、お手本みたいな正座。
ああ、ここだけ……狭いアパートに見えない。
梓さんの周りだけ、なんか別の高級料亭か何かに見える。
あー、嫌だなぁ。
嫌だ。
梓さんが嫌いなわけじゃない。
嫌いじゃないけど、苦手かもしれない。
うーん……。
一方俺は、本当にこの部屋の主かってくらい恐縮している。
むしろ俺がお客さんみたいだ。
何だろう。
梓さんのオーラというか雰囲気に圧倒されている。
あー。
息苦しい?
むず痒い?
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