咆哮

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罪は僕じゃないか。 無力な僕が悪いんじゃないか。 血が足りない僕には弱音しか吐けない。 そんな僕に何ができるのだろうか。 僕は君に尋ねた。 君はまだ夢を見ている。 ただ、かつて君が僕に言った言葉が頭をよぎった。 「・・君は私のことばかり気にかけている。 自分のことなんてどうでもいいと思っている。 私は私を大切にしてくれるあなた自身を大切にするあなたしか好きにはなれない」 僕が君に別れを告げられた言葉だ。 君の最後の言葉は「ありがとう」だった。 でも、本当はあの時の言葉の意味が後に続いていたのかもしれない。 君の微笑みは安堵ではなく、僕への労りのような気がしてきた。 涙がまた溢れてきた。
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