14人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
「なに、オレに飽きてこいつに乗り換えるってワケ?へぇ、お前そんなことできる女だったんだ。最悪だな」
「君、本当に彼女の恋人?さっきから彼女に対して失礼なことばかり。君に彼女はもったいない」
なにこいつ。
紳士ぶって、キモッ。
「それに彼女と僕は付き合ったりしていない。僕が一方的に交際は申し込んではいるが」
彼女の肩がビクンと跳ねた。
「あーやっぱそうじゃん?オレと別れたら正々堂々と付き合えるんだからな。おめでと、よかったなぁ」
パチパチパチパチ。
わざとらしく手をたたいてやる。
「ち、ちがっ」
彼女と今日初めて目が合った。
嘘を言っていないことはその目を見れば明らかだった。
「ハイハイ、ハイハイ」
だけど、悪態をつかずにはいられなかった。
「君、どこまで彼女のことを侮辱すれば気がすむんだ!」
「あんたはさ、黙っててくれる?」
オレの口撃にカッとなって体を乗り出し反撃しようとするそいつをそっと制する彼女。
お前は誰の恋人なんだよ!
「ハイハイ、勝手にすればいいじゃん。しょうもなっ!お前なんか別れてやるよ!」
「君!」
再び、彼女はその男を制する。
オレと別れる決意は固いことを痛感する。
最初のコメントを投稿しよう!