第一章

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 すると、結界で隠されていた私の姿が、奴らの目に映ったようだ。  攻撃していた騎士団は驚いて手を止め、手にしていた武器を私に向けた。 「その程度のおもちゃで、私が殺せないことは知っているだろう?」  騎士団はわずかに渋面を浮かべる。  その群が左右に割れ、出来上がった道を見知った顔が悠然と歩いてきた。  騎士団長マースと、腰巾着のローガン。  本部を崩壊させた日以来、初の顔合わせだ。 「久しぶりだな、エルヴィス。地下でのネズミ暮らしはどうだ?」 「嫌みな言い方は相変わらずだな、マース。地下はライアンのおかげで快適だよ」  我が妻の名が出た途端、マースの顔から笑みが消えた。  妬み、憎しみ、負の感情が全て表へ出たように、彼の表情が見事に崩れる。  奴が悔しそうな顔をすると、私の心は対照的に穏やかになる。  ライアンはお前のものではない。  あの子は生まれたそのときから、永遠に私のものだと決められているのだから。 「我が愛しい妻ーーああ、ライアンのことだが、彼は地下で穏やかに過ごしているんだ。騒ぐつもりなら、お帰り願いたい」 「ここはあの方が過ごすべき場所ではない! あの方は私の・・・・・・我が腕の中にいるべきなのだ!」  みっともなく口角から泡と怒号を飛ばすマースを見たら、ライアンは悲しむのだろうか。  あの子の悲しむ顔は、見たくない。 「お前にライアンを渡すつもりはない。帰らないならーー貴様をここで殺す」 「やれるものならやってみろ」
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