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「イザーク、周辺の見回りを強化しろ。敵を見つけ次第、倒せ。狙撃手も交代で配置。人選はお前に任せる」
「かしこまりました。ーーあの、殿下」
「なんだ」
「少し、お休みになった方がよろしいのでは?」
「必要ない」
「ですが、臓器を雑に奪われた後ですし、お体にどんな影響があるかもーー」
「必要ないと言っているだろ!」
「あ・・・・・・」
イザークは足を止め、俺を怯えた目で見つめていた。
周囲を行き交うヴァンパイア達も、俺の声を聞いて体を堅くしている。
今の俺は、一体どんな表情をしているのだろう。
彼らの顔は、化け物でも見ているかのように怯えていた。
「・・・・・・怒鳴ってすまない。俺は大丈夫だから、お前達が休むといい」
「殿下・・・・・・」
「本当にすまない」
立ち尽くすイザークの頭を撫で、配下達の視線から逃げるように、エルヴィスの部屋に駆け込む。
ベッドサイドにかじりついていたデズモンドとカトリーヌは、俺を見るとすぐに姿勢を正した。
「陛下」
「エルヴィスの具合はどうだ?」
「・・・・・・未だ、昏睡状態です。血を失いすぎたせいなのか、鎧のせいなのかは分かりません」
「そうか」
真っ白なベッドに横たわり、静かな寝息を立てる夫は、まるで絵画から抜け出た天使のように美しかった。
血色のない雪色の肌、青みがかった銀髪、どれをとっても美しい。
石膏のようになめらかな肌を指の背で撫でながら、ぴくりとも動かないエルヴィスの瞼に唇を沿わせる。
「・・・・・・ごめん、エルヴィス」
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