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なんだかんだで仲間思いなローガンの事だ。
あの「なり損ない」の事も心配しているだろう。
その証拠に、ぶすっとふくれっ面をして、横を向いていた。
「あいつは本来敵種族同然でしたから、別に。ただ、刺さなくても良かったとは思います」
「本当に君はお人好しだなあ。あれの代わりはいくらでもいるのに」
「一応、短期間でも部下だったので・・・・・・」
「そうか・・・・・・じゃあ、すぐに代わりの部下を用意しないとね」
ちらり、とラボの奥を見ると、金魚鉢のような袋型の水槽の中に、いくつもの人影が浮かんで見えた。
代わりは、いくらでもいる。
「今度はどんな子がいいかな? 黒髪は決定事項だから、オプションで何か付ける?」
「おもちゃじゃないんですから、まじめに考えてください」
「ふふ、ごめんね」
この程度の雑談ができるほど、今の私はいささか心に余裕があるらしい。
殿下の顔を見ただけで、これほど心が安らぐとは思わなかった。
「すぐ次の任務が始まる。君は戦いに備えて、体を休めなさい」
「ーーじゃあ、俺をあなたの眷属にしてください。俺も団長と同じ、銀狼なんでしょう?」
「そうだよ」
「だったらーー!」
「無理なんだ」
できるものなら、とっくに眷属にして力を与えていた。
でも、出来ないのだ。
「この三百年の間に、何度も人間や人狼を眷属にしようとした。でも、出来なかった」
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