第二章

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 駅前の為通行人が多く、ダルスは思うように進めないようだった。  その隙に、俺達三人は三階立ての建物の屋上に向かって跳躍した。  眼下では人間達がカメラを構え、俺達に向けている。  その群をかき分け、ダルスがすぐ下にやってきた。 「そこを動くな、ヴァンパイア!」  そう言われるが、おとなしく止まっている俺達ではない。  俺はルーカスの腕を掴み、走り出す。  だが、すぐ横にいたイザークが急に座り込んでしまった。  額には脂汗が滲んでいる。 「大丈夫か!?」 「すみません・・・・・・平気です」  とても平気には見えなかった。  確実に日光によって体力を削られている。  俺はトランクをルーカスに渡し、イザークを俵のように肩に担ぎ上げた。 「殿下!?」 「少しの間我慢してくれ」 「眷属が主に守られるなんて、そんな恥曝しな事ーー!」 「今はお前の体裁なんてかまってられないんだよ!」  ダルスが間近に迫っている。  すぐそこにはマースもいる。  今二人に襲撃されたら、さすがに勝てる自信がない。  この様子ではイザークは戦えない。  ルーカスも、自分と同じ顔を持つ青年を見てから、動きが鈍い。・・・・・・それ以前に、彼は俺の味方であってくれるのだろうか。
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