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私、倒れたってこと、よね……?
そして、なんとか起き上がろうとすると、
すぐ隣にしゃがんでいた先輩女性が支えてくれる。
「無理しないで。ゆっくりね」
すみません。
私を抱き起してくれた先輩女性に頭を下げると、柔らかく微笑まれる。
「貧血だと思うけど、寝不足? まさか、ダイエットじゃないよね」
そう言われて、ふと気付いた。
思えば、先輩への片想いを自覚してからというもの、
どうにも起伏が激しくなった情緒のせいで、
睡眠も食事もどこか上の空で、疎かにすらなっていたかもしれない。
それに加えて、今週は週末からの諸々で
益々、気持ちの揺れは激しくなり、眠れず
悶々と考えているのか、悪夢を見続けているのかの判断もつかなかったほど。
そして恐らく、私の見た目は、自分で思うよりもひどかったのだろう。
課長に、きっぱりと言われた。
「ちょうど連休に入るんだし、もう帰れ。
それで、たまには実家にでも帰って、ゆっくりしてこい」
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