16人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、それを気にする私の耳に蘇る、鋭い福澤の指摘。
彼の豊田さんへの気持ちは、恋愛とは違うのかもしれないよね。
それが無限ループのように頭の中を巡り
食べることも、眠ることも出来ずに、ひたすら悶々とする。
そして、どうにも居ても立ってもいられなくなり、私は携帯電話を手に取った。
確かに、今の自分がモヤモヤしているのは、
誤解をしたままの先輩と、彼女のその後。
しかし、もちろんストレートにこれを尋ねるわけにはいかない。
だが今回は、福澤の不意の登場で
先輩にも嫌な思いもさせたかもしれないから、詫びの名目がある。
だから、
『今日は、色々とすみませんでした。
私も、突然に同僚が現れ、驚きました。
ですが、私が彼を好きというのは誤解です。』
ここまで、一気に打ち込んでみた。
だが、先輩との約束の日に、福澤と二人でいたのを目撃されていたのだ。
これでは、変な言い訳に聞こえてしまうのではないか。
そんな迷いから、これは消去する。
最初のコメントを投稿しよう!