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しかし、いつもは割と早く送られてくる先輩からの返信は、
1時間経っても、2時間待っても送られてこない。
それどころか、なかなか寝付けず日付を越してしまっても
尚、隣に先輩が帰宅した気配もない。
そしてこうなると、どうにも気になってしまうのが、あの時の彼女の言葉。
私、こっちに……。
短く、しかも言葉尻も切れていた。
だがあれは、間違いなく、こちらに出て来ることを匂わせていた。
そしてそうなれば、先輩が彼女と別れる理由もなくなる。
それだけに、あの福澤の言葉が余計突き刺さった。
彼の事情っていうのも、
彼が豊田さんを好きになったからっていうのとは違うんじゃないかな。
思えば、先輩から聞いたのは、彼らが遠距離になる理由と
その事情に理解を示さず、結婚を匂わせる彼女たちに対する気持ち。
だが、彼が彼女をどう思っているかは聞いてはいない。
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