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学生にとって春休み最終日の今日、各学生たちが各々自由に過ごしていた。
ある人は友人と共に過ごし、ある人は、一人で過ごしたりしているだろう。
ここ満開市のとある公園に一人の少年が桜を眺めていた。
「……ここの公園は桜が綺麗に咲いて居心地がいいな」
毎年綺麗な桜を咲かせるこの公園で春休み最終日を過ごす少年、花咲桔梗(はなさきききょう)は、のんびりと日向ぼっこ兼花見をしていた。
明日から、高校生となり、ここの公園から近い満開高校の生徒となるのだが、イマイチ実感が湧かないまま入学式前日になってしまった。
そんなことを思っていると、公園の入り口の方から足音が聞こえてきた。
その足音はこちらの方に近づいてきているのがわかる。
「桔梗、やっぱりこの公園にいたんだね」
「……椿か、何か用事か?」
俺に声をかけてきたのは、隣に住む幼馴染である紅野椿(あかのつばき)だった。
椿は綺麗な黒髪を腰近くまで伸ばしていて、自分から前に出ていくようなタイプではなく、周りから一歩引く様なタイプだ。
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