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「特に用事とかはないんだけど、桔梗が外出ていくのが見えたからついてきちゃった」
「お前も暇なんだな。まあ特に何もやることないんなら一緒に桜見るか?」
「うん。じゃあお隣失礼しまーす」
そういって二人は並び桜を見上げ続けた。
「一緒のクラスになれたらいいね」
その言葉に俺は声を出さずにゆっくり頷いた。
小学校から中学校の九年間ずっと同じクラスだったから、結局また三年間同じクラスになるのだろうと思ったが、椿も同じことを思っているだろうと思い、あえて口には出さなかった。
それから数十分経ち、二人は桜を見るのをやめ、公園を出た。
隣同士だから二人並んで一緒に歩きながら、新しく始まる高校生活について話した。
どんな人がいるか、どんな担任か、部活動、委員会はどうするかとかいろいろ話し、期待に胸を膨らませた。
家に一歩、また一歩近づくにつれてピアノの音が大きく聞こえてくる。
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