210人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
「俺だってやれば出来んだよ」
「あ、そう。だが俺は無駄なことが嫌いなんだ」
ひらひらと手を振って小バカにした口調で言われて
よせば良いのに、更にいきがってしまう。
「見てろ!近いうちに俺の成績をみて
テメーを平伏せてやるからな!」
「大したビックマウスだな」
「うっせー!マジで言ってんだよ」
全然思ってもいないことが、口から勝手に出てくる。
その言葉を受けて口の端を上げた十朱の顔が、
いまだに脳裏に焼きついて離れない。
「期末が楽しみだな」
期末……だと……近すぎだろ……
あと2週間しかねぇし……
やられた……
まんまと相手の術中に嵌められてしまった感が否めない。
こうなると、何から何まで全部、十朱のペースだ。
が、今となっては後の祭り、売り言葉に買い言葉。
後悔先に立たず、そんな言葉が浮かんでくるが
もう出てしまった言葉は回収のしようがなかった。
最初のコメントを投稿しよう!