プロローグ

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「俺だってやれば出来んだよ」 「あ、そう。だが俺は無駄なことが嫌いなんだ」 ひらひらと手を振って小バカにした口調で言われて よせば良いのに、更にいきがってしまう。 「見てろ!近いうちに俺の成績をみて テメーを平伏せてやるからな!」 「大したビックマウスだな」 「うっせー!マジで言ってんだよ」 全然思ってもいないことが、口から勝手に出てくる。 その言葉を受けて口の端を上げた十朱の顔が、 いまだに脳裏に焼きついて離れない。 「期末が楽しみだな」 期末……だと……近すぎだろ…… あと2週間しかねぇし…… やられた…… まんまと相手の術中に嵌められてしまった感が否めない。 こうなると、何から何まで全部、十朱のペースだ。 が、今となっては後の祭り、売り言葉に買い言葉。 後悔先に立たず、そんな言葉が浮かんでくるが もう出てしまった言葉は回収のしようがなかった。
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