渋谷

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真昼間のスクランブル交差点に、一台の大きな円盤が降り立った。 ポコンッと下の丸い部分が開き、階段が出てきて、誰かが降りてくる。 コツ……コツ……コツ……。 「うっちゅっちゅっちゅっちゅう……。  どうやら、人間は一人もいないみたいだうちゅ。  作戦は成功したうちゅねぇ……  ワレワレの開発した、感染力抜群の殺人細菌爆弾、 『いやんっ死んじゃう2017』で見事に地球人どもは、  一人残らず死に絶えたうちゅね。  ワレワレよりも、頭が良いはずの地球人も、  流石に、これには敵わなかったうちゅよ。  これで、地球はワレワレが侵略できるうちゅよ!……うっちゅっちゅっちゅ……。」 すると、円盤の中からもう一人の声が聞こえた。 「おい、エイリアン……どうコスモ?  地球人は皆、死んだコスモ?……ズル……」 「ああ……ビイリアン……  その3つの目で、見てみるといいうちゅ。  おっと!!その前に、ちゃんとマスクは着けてくるうちゅよ!  まだ、3ヶ月の間は、感染するうちゅから!」 「そんなの、わかってるコスモ!」 「フン!……ビイリアンは、とびっきりの馬鹿だから、わかってないかと思ったうちゅ」 コツ……コツ……コツ……。 階段を、ビイリアンも降りてきた。
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